
2022.8.3 子育て
「香道」に見る日本の香りとは ~香りから日本の歴史を見てみよう~
「日本の空港に降り立ったら、なんとなく醤油の香りがした。」
これは、日本を訪れる海外の方も、日本に帰ってきた人も少なからず抱く感想のようです。
「香り」という視点をもとに冒頭から極端な例を挙げましたが、そもそも日本古来の古き良き文化「香道」にみる「日本の香り」とは、どのようなものなのでしょうか?
この記事では、「香道」という芸道の道をもとに日本の香りについてご説明いたします。
目次
1.「香道」とは
「華道」「茶道」、などなど。
名前に「道」が付くものには、日本古来の文化の成分が含まれています。
ところで、「香道」とは、どのような「道」なのでしょうか?
①「香道」とは、どのような「道」なのか?
結論から先に申しますと、「香道」とは、平安時代に貴族が優雅な生活文化として「香」を位置づけたことを継承した「芸道」の一つです。
端的に表現するならば、「沈香(じんこう)」と呼ばれる貴重な沈水香木をたいて、その香りを“聞く”のが「香道」と言われております。
「聞く」と表現するのは、音に使うのが普通ですが、香りにも独自の文脈で使われます。
それは、「単に匂いをかぐのではない」ということです。
香りによって、「香りを超えた何かを感じえた」時にも「聞く」という動詞を用います。
古く遡ると、「日本という国の正統な歴史」として海外にアピールするために書かれた『日本書紀』という文献にたどり着きます。
その『日本書紀』という文献の記述によると、推古3年(595年)に淡路島に一本の流木が漂着しました。
人々はその流木を薪に用いようと考えて、火をつけました。すると神秘の香りが立ち上がり、慌てて火を消して朝廷に届けたと記されております。
そして、人々は当時の女帝だった推古天皇にその流木を献上しました。
ちょうど傍にいた摂政・聖徳太子が“これは流木ではなく奇跡の木「沈香(じんこう)」である”と言った、との記録が残っています。
言い換えるならば、「漂流して流れ着いた流木が稀有なる至宝として価値を見出された瞬間」の記述とも言えます。
さて、時は遡って、室町時代に「香道」は「芸道」の一つとして大いなる高まりを見せます。
室町時代の後半に八代将軍の足利義政の治世のもとで花開いたのが東山文化です。
この時の将軍である義政が、香りを愛でることを芸道の域にまで高めて、その道の祖となりました。
この時に「公家(三條西実隆公)をルーツに持つ流派」である「御家流」、
「武家(志野宗信)をルーツに持つ流派」である「志野流」という、香道の文化をのちに発展させていく二つの香道の流派が誕生します。
②「御家流」の特色
「御家流」の特色は、貴族文化をもとに醸成された流派なため、華麗な蒔絵の香道具を用います。
また、伸びやかで闊達な手前作法で、香りや雰囲気を楽しむところに特徴があります。
まさに、貴族や公家の流れを汲んだ流派と言えます。
③「志野流」の特色
一方の「志野流」は精神鍛錬のための武家の流派と言われます。
というのは、御家流とは対照的に、木地の香道具を用いるからです。
「志野流」の特色は、簡素ながらにも厳しさがあるところです。
志野流の特徴は、「組香(くみこう)」というちょっとした「ゲーム」形式の香り当てを行います。
方法は至ってシンプルです。
まず何種類かの香を聞いて覚えます。
そのあと、出される香がどの香りなのかを当てます。
まさに「ゲーム」的な側面を持つ香道の流派です。
現在では、東京の品川区にある薬師寺東京別院で、志野流の香道の聞香(もんこう)の稽古が行われております。
2.香道に使われる香りの楽しみ方
①組香(くみこう)と呼ばれる雅な遊び
組香とは、「いくつかのお香を聞いて、その香りが何なのか」をあてるお遊びです。
数多ある香りの中から、単に香りをあてて楽しむだけではありません。
その中に古典文学などを背景知識として盛り込んでいるので、多くの教養が身につきます。
香りを聞く中で、季節の移り変わりも楽しめます。
②現代でも楽しめる商品のお取り扱いのあるお店はたくさんある
香道においては、用いる香は、歴史ある老舗が実店舗、場合によってはオンラインショップを含めて販売を行っております。
現代人の生活においては、香りを楽しむ上でルームフレグランスから、香水に至るまで、実店舗における販売からネットショッピングにいたるまで多種多様な「香り」を購入することが出来ます。
古き良き日本の香りを楽しむならば、コロナ禍が過ぎ去ったあとに、歴史ある老舗の実店舗に出向いてみるのも面白そうですね。
3.香道の魅力
①香道は文学性を伴う
そもそも日本においては、平安時代の貴族たちが暮らした頃から「香り」をとても大切にしてきました。
薫物(たきもの)と言って、現代のコロナ禍で人気を博すようになった「ルームフレグランス」の先駆けのようなことも行っていたそうです。
ちなみに平安時代の貴族たちは、屋内だけでなく、十二単(じゅうにひとえ)といった着衣にも竹製のカゴを使って、着る前に香を焚きしめておりました。
②「香道」は、五感で得た情報を言語化するということ
いわゆる五感【視・聴・嗅(きゅう)・味・触】と言われる五つの感覚のうち、嗅覚を香道では活かします。
五感で得た情報を言語化する際には、高度な語彙力と言葉選びのセンスが必要になります。
より身近な例に置き換えるならば「テレビ番組などで見るようなハイレベルな食レポを、嗅覚の分野で行う」というイメージでしょうか。
まとめ
香りを言葉に変換する過程には、詩歌のような文学的な要素を伴います。
日本の四季を愛でる感性を育む文学的な側面を伴いながら、芸道の一つとして体系化していったところは世界に類を見ないほど素晴らしいことだと言われています。
今までのコロナ禍では、アロマやルームフレグランスが人気になってきていますが、日本におけるそれらの歴史やきっかけはどこからくるのか、など
香りという視点から新たな日本を感じてみるのも面白いかもしれませんね。歴史などを考えるきっかけになれば嬉しいです。









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